期間限定薄桜鬼ブログ
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リア友様からリクエストいただいた斎藤さん片思い話。
ちょ、どこが恋バナなんだ!(怒)という第一話。
舞台は副長ルートの母成峠です。
あまり長くないので、後で一つにまとめると思います。
今は時間がないので…!orz 小刻みにアップ(^^;
献辞をつけてねv っていうことなので、まとめる時に付けますから
掲載可なハンドルを教えてください(笑)<私信
そんな捏造母成峠でもよろしければ、右下のタイトルからどぞ///
ネタバレちっくな独り言;↓(反転)
・管理人はかなり大鳥さんが好きです。
・my捏造設定:斎藤さんは母成峠じゃなくて9月5日の如来堂で戦死の予定(守備隊がほぼ全滅したと言われている戦闘/歴史では斎藤生還します)なので、このお話では戦死しませんv
・第二台場の主(中軍山)・左(東ソネ)・右翼(八幡山)の位置は推測者によってまちまちなので、多少都合の良いように設定してますすみません m(_ _)m
・google地図で「石筵 母成峠」を検索し「地形」を表示させながらご覧いただけますと臨場感倍増。
・会津新選組の組織は慶応四年五月に会津の三代(地名ですー)着陣時に会津藩に提出された名簿を念頭に置いてます。斎藤さんが隊長ですv(あ、思わずはーとが……)
ちょ、どこが恋バナなんだ!(怒)という第一話。
舞台は副長ルートの母成峠です。
あまり長くないので、後で一つにまとめると思います。
今は時間がないので…!orz 小刻みにアップ(^^;
献辞をつけてねv っていうことなので、まとめる時に付けますから
掲載可なハンドルを教えてください(笑)<私信
そんな捏造母成峠でもよろしければ、右下のタイトルからどぞ///
ネタバレちっくな独り言;↓(反転)
・管理人はかなり大鳥さんが好きです。
・my捏造設定:斎藤さんは母成峠じゃなくて9月5日の如来堂で戦死の予定(守備隊がほぼ全滅したと言われている戦闘/歴史では斎藤生還します)なので、このお話では戦死しませんv
・第二台場の主(中軍山)・左(東ソネ)・右翼(八幡山)の位置は推測者によってまちまちなので、多少都合の良いように設定してますすみません m(_ _)m
・google地図で「石筵 母成峠」を検索し「地形」を表示させながらご覧いただけますと臨場感倍増。
・会津新選組の組織は慶応四年五月に会津の三代(地名ですー)着陣時に会津藩に提出された名簿を念頭に置いてます。斎藤さんが隊長ですv(あ、思わずはーとが……)
無粋な咆吼が長い一日の始まりを告げた。
土塁に寄りかかり目を閉じていた斎藤は、すくと立ち上がった。
明けて間もない空は頼りない光を曇天に滲ませているばかりだ。もっとも仮に晴れていたとしても、東に安達太良山麓を有するこの母成峠に明け方の陽光が射し込むことはない。代わりに届いたのは、沢を挟んだ対岸の丘から発射された砲弾だ。三重に張り巡らされた土塁の、中段にめり込んで砂礫を撒き散らした。
見上げて、斎藤は気配を伺った──味方に損害は無さそうだ。
斎藤が立っているのは一番外側に巡らされた土塁だった。視線を外側へと向けると、真下は石筵(いしむろ)川に削り取られた、勝岩と呼ばれる断崖だ。二十町余ほど続くこの断崖の上に、大鳥圭介率いる旧幕府軍は三重に土塁を巡らせて防御陣を築いていた。
斎藤は眼下の石筵川を一瞥して人影が無いことを確かめると、沢向こうの丘に鋭い視線を向けた。斎藤の立ち位置からは相対する丘のほうが少し高く、雑草に包まれた山肌と森林の上辺しか見えない。
だが斎藤は目を眇(すが)めた。
彼の感覚はざらりとした敵の気配を感じとっていた。
「斎藤さん!」
大柄な島田が土塁の迷路を通って斎藤の元に現れた。
「伝習隊第二大隊からの伝令です。沢向こうに現れた敵は約千名、四斤砲を四、五門有している模様とのことです」
ぱし、という音がして斎藤と島田の間の土塁が小さく散った。銃による着弾だ。
斎藤は顔色ひとつ変えなかった。
「伝習隊が展開している場所のほうが高い。砲撃は彼等に任せよう。新選組はここから銃撃によって渡河を阻止する。木下に──」
言いかけたところで、斎藤は半身を敵方に向けた。
島田は巨体を伏せた。
弾丸の雨が土塁に突き刺さった。
土を穿つくぐもった音の羅列の中に、ひとつだけ鋭い金属音が混ざった。
乾いた斬撃の音。刹那の内に、びりりと人も土も震わせて。
──いつの間にか斎藤が剣を抜き放っていた。
逆袈裟に振り上げた形の剣をゆっくりと下ろし、鞘に収める。
「木下に、この近辺から反撃を行うと伝えて隊士を集めさせてくれ」
「……了解しました」
身体を伏せた島田はそのままの姿勢で斎藤を見上げながら承諾の意に頷いた。
常ならば青を含む斎藤の瞳は、僅かに赤の紗がかかっているように見えた。
それが朝の光の加減でないことを──島田はもう知っていた。
人ならざる力の証。
島田に背を向けて土塁の検分を始めた斎藤の足元に目を凝らせば、二つに斬られた弾丸の残骸が見つかったかも知れない。
だが島田はそうしなかった。額を地面に擦りつけると土を握り込んだ拳を叩きつけ、それを反動に立ち上がると仲間の元へと駆け出した。
追い縋るように着弾の土煙がはしった。
土塁に寄りかかり目を閉じていた斎藤は、すくと立ち上がった。
明けて間もない空は頼りない光を曇天に滲ませているばかりだ。もっとも仮に晴れていたとしても、東に安達太良山麓を有するこの母成峠に明け方の陽光が射し込むことはない。代わりに届いたのは、沢を挟んだ対岸の丘から発射された砲弾だ。三重に張り巡らされた土塁の、中段にめり込んで砂礫を撒き散らした。
見上げて、斎藤は気配を伺った──味方に損害は無さそうだ。
斎藤が立っているのは一番外側に巡らされた土塁だった。視線を外側へと向けると、真下は石筵(いしむろ)川に削り取られた、勝岩と呼ばれる断崖だ。二十町余ほど続くこの断崖の上に、大鳥圭介率いる旧幕府軍は三重に土塁を巡らせて防御陣を築いていた。
斎藤は眼下の石筵川を一瞥して人影が無いことを確かめると、沢向こうの丘に鋭い視線を向けた。斎藤の立ち位置からは相対する丘のほうが少し高く、雑草に包まれた山肌と森林の上辺しか見えない。
だが斎藤は目を眇(すが)めた。
彼の感覚はざらりとした敵の気配を感じとっていた。
「斎藤さん!」
大柄な島田が土塁の迷路を通って斎藤の元に現れた。
「伝習隊第二大隊からの伝令です。沢向こうに現れた敵は約千名、四斤砲を四、五門有している模様とのことです」
ぱし、という音がして斎藤と島田の間の土塁が小さく散った。銃による着弾だ。
斎藤は顔色ひとつ変えなかった。
「伝習隊が展開している場所のほうが高い。砲撃は彼等に任せよう。新選組はここから銃撃によって渡河を阻止する。木下に──」
言いかけたところで、斎藤は半身を敵方に向けた。
島田は巨体を伏せた。
弾丸の雨が土塁に突き刺さった。
土を穿つくぐもった音の羅列の中に、ひとつだけ鋭い金属音が混ざった。
乾いた斬撃の音。刹那の内に、びりりと人も土も震わせて。
──いつの間にか斎藤が剣を抜き放っていた。
逆袈裟に振り上げた形の剣をゆっくりと下ろし、鞘に収める。
「木下に、この近辺から反撃を行うと伝えて隊士を集めさせてくれ」
「……了解しました」
身体を伏せた島田はそのままの姿勢で斎藤を見上げながら承諾の意に頷いた。
常ならば青を含む斎藤の瞳は、僅かに赤の紗がかかっているように見えた。
それが朝の光の加減でないことを──島田はもう知っていた。
人ならざる力の証。
島田に背を向けて土塁の検分を始めた斎藤の足元に目を凝らせば、二つに斬られた弾丸の残骸が見つかったかも知れない。
だが島田はそうしなかった。額を地面に擦りつけると土を握り込んだ拳を叩きつけ、それを反動に立ち上がると仲間の元へと駆け出した。
追い縋るように着弾の土煙がはしった。
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